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個人の歴史

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旧約聖書は読んだことはないが、誰が書いた忘れたが、ヨブ記の一文が頭に残っている。

神と悪魔との議論で、

ヨブは、敬虔な信徒で神を敬い、祈りをし、神を信じるお手本のようだと、神が言うと、悪魔は、

何を言うか、ヨブは子供にも、財産にも、健康にも恵まれ、神を敬うのは当たり前で、そのすべてを取り上げると、

ヨブとて、神を呪うだろうと、予言します。

そして、神はすべてを取り上げて、ヨブを不幸のどん底に落としますが、ヨブは、

「裸で生まれてきたから、裸で死んでいこう」

と言います。



ヨブから財産を取り上げるくだりは、日本人にはちょっと付いてはいけないなあと思うが、

一筋とか、一途とか、たとえ苦労してもとか、生きる上で似たような話があるなと思った。

日本でも、昔から、どんなに財産を残しても、あの世には持っていけないといわれるが、

裸で来たから裸で帰るってのは、年齢を重ねると、すごい説得力を持って迫ってくる。



普通の感覚の持ち主だと思うが、右寄りの知識人が、チャイナの脅威や、台湾の有事を危惧したり、日本の防衛に言及したりするが、

それは、視聴者には普通に「そうだな」と思われる。

ところが、反対する人や、否定したい人々は、現実とはかなり離れたことを主張したりする。

あるいは、チャイナのジェノサイドとか、テニス選手への人権蹂躙とかには一種無視したり、

ある公党の代表のように「証拠がない」とか、無理筋なことを主張したりする。


裸で生まれてきたときは、恥ずかしさも何もないが、

裸で帰らなければならないなら、

その期間裸になっても恥ずかしくない「個人の歴史」を刻みたいものだと思う。

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