明日も頑張る

年齢を重ねれば、それなりの考えというか、覚悟とでもいえるのか、一種信念みたいなものができる。

さらに、先人が残した言葉とか、絵画とか、文章とか、あるいは音楽でも、

なんとなく理解、というより、波長が合わさるような、そんな作品や本に巡り合うことがある。



「行く川の流れは絶えずして・・・」って、リズミカルな華麗な文章は、だれでも知っていると思うが、

仏教のすべてのもは移りゆくもので、それは目に見える世界だけの出来事ではなく、精神や心までにも及ぶという、

この世の真理を、いわば、現実的な事実を、なんとなく儚さをにじませて表現したものだろう。

文学的な手法と言ってもいいかもしれないが、

実はこれを書いた本人は、もしかしたら、他人との競争に敗れたのか、あるいは自分の能力を認めてくれなかった社会に落ち込んだのか、

そんな面も想像できてしまう。

多くの普通の人は、打たれ弱いし、虚勢を張るし、はじめから諦めているし、頑張れないし、自分も全くそうで、

この華麗な描写に、そうだよな、って同調してしまう。



ノストラダムスの大予言を検証した高木彬光だったか、本の最後に、

明日地球が崩壊すると分かっていても、今日リンゴのタネを植える、って一文があった。

移ろいゆく世界に同調するのもいいかもしれない、あるいは波長が合うのもいいかもしれない、

でも、やはり、この心意気だけは失いたくないと思う。