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Channel: 虚空を観じて
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昔の話

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歳をとると、昔を思い出す。


ペルー在住だったころ、ペルーの治安が、極めて劣悪だった時期があった。

度々、日本大使館主催で、セルフディフェンスについて、専門家の講義やビデオがあった。

その時初めて知ったのだが、

銃器は、携帯しているが故に、殺されてしまう危険性が高いという。

携帯する以上は、相手が、女、子供であっても、引き金を引く意思がなかったら、銃器は意味がない、ということだった。

つまり、相手だって、おびえているわけけで、映画のようにはいかない。

自分を考えて、

「相手が、女、子供でも撃てるか」

と自問すると、相手が、女、子供でもなくて、僕には撃てないと、早々に結論を出して、銃器を持つことは諦めました。



当時は誘拐事件も多発し、誘拐されたらどうするか、というアメリカが作ったビデオを大使館が用意してくれて、

それを見ると、大変興味深かった。

簡単には殺さないから、犯人と心の交流を持つべきだ、というのだ。

つまり、相手をなじったり、正当論を言ったり、議論したり、話し合ったり、こんなことはダメで、

相手をねぎらうような、そんな会話が大事だというのだ。

これには、なるほどなと思った。

実例があって、当時日系人でも有名な僕の知り合いが誘拐された。

ひと月ほどで、解放されたが、ビデオと同じような、相手を友人とした感覚で会話をしていたそうだ。

交渉にもよるが、ひと月で解放される例は皆無だった。


ちなみに、当時、誘拐犯と交渉するのは、専門家や親族で、警察は手を出さない。

幸い、日本のような優秀な警察官では、犯人側も警戒が強すぎて、うまくいかない。

優秀でないことは、時に、幸運となる。

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