マクロの話だが、
ペルーに赴任した。
しばらく生活すると、とにかく、ペルー人の民度の低さにあきれ返った。
コツを掴むまでに時間がかかる。
当時、信頼できるのは日系人だけだ、と思い、いろいろ日系人と関係を持ったが、これがヒドイもので、
とてもまともには関係を持てないと思った。
どこの商社だったか、新しく赴任してきた駐在員に伝える注意書に、日系人とは深い関係を持たないこと、ってのがあると聞いた。
さすが、歴史のある商社は違うなあと、思ったものだ。
自分の経験でも、助けてくれたのは、ネイティブペルー人が多かった。
ある時、大使が帰朝する際のあいさつで、
「この国の人は、個人的な利益だけで話に来る」
って、言っていた。すぐ想像はついたが、立場を利用してお金をかすめ取ろうというわけだ。
災害時、世界から、寄付金から、生活物資、古着まで、届く。
ところが、本当の被害者までは渡るのはごくわずかで、途中で消えてしまうという。
物資は翌日には、店頭に並ぶ。
上のほうから、末端まで袖の下がまかり通る。実際賄賂を渡さなければ、物事が遅々として進まないことがおおい。
当時は、旅行で来る入国者はすべてのカバンを開放し中身をさらけ出す。
和文タイプを持ち込んだが、そのとき電化製品だと誤解をされ、驚愕のお金を要求され、
「話にならんから、上司を出せ」
と言ったら、係員が、
「おれが一番エライ」
といった。これには笑ったが、気に入って袖の下を10ドルほど渡した。
和やかというか、あっけらかんというか、面白い一面のある。
ところが、こんな国だからこそなのか、友人ができれば、生きるのは楽しくなるし、好きになってくる。
おそらく、信頼できる人は貴重な存在なのだろうか、これを経験的に知ってしまった。
なんとなく不思議な気がするし、愛すべき民度の低さかもしれない。
韓国がスキャンダルで混乱している。
民度の低さは、ペルーとは本質的に異なる印象がある。
悲しい、寂しい、正視できない低さを感じる。