自らが創造する妄想

考えてみれば、今自分が生きているってのは、両親や先祖、他の先人たちのおかげであり、

言ってみれば、自分の下に、あるいは上かもしれないが、先人たちのピラミッド型の頂点にいるのが、

今の自分なんだと思う。

蒙古襲来や、戦争などで日本を守った先人たちも凄いと頭が下がるが、

自分の身近でいえば、やはり先祖になるだろう。

それが見えれば、屍累々だろう。



どんな人であろうとも、それは間違いのないことで、その事実に感謝しようが、感動しようが、あるいは、

どうでもいいと思うが、逆にテメーラのせいでとおもうが、自由だが、

人間の人間たるゆえんは、その事実に気が付いたら、頭を垂れることなのだろうと思う。

なぜなら、人間はひとりでは生きていけないし、他人との関わり合い、自然との関係の中だけでしか存在できないのだから。



昔、ニューヨークで、ヒッピーなる集団というか、体制に抵抗した若者が一世を風靡した。

日本の若者もこの影響を受けた。

男子なのに、女子のように髪を伸ばし、体制批判だから、常識や習慣に縛られない生き方を目指したと、

そう分析されていたが、

実は、この体制批判は日本人には、まるで関係ないことだった。

アメリカの体制は、キリスト教の影響を抜きには考えられないが、

日本人はキリスト教の影響は皆無に等しいから、

日本の若者のヒッピーは単なる真似事で、そこには、思想もなければ、哲学だの理想だの、なにもないカラカラの状態だった。



体制を批判しようが、社会を呪うことをしても、

結局は、他人の世話になる、他人に迷惑をかける、他人との関係の中だけしか、生きていけないことを、

だんだんと体験していく。




観念は、際限なく広がり、自身を縛っていく、

妄想も際限なく広がり、それゆえ自身で妄想の海に沈んでいく。

いまのマスコミには、そんな感覚を覚える。