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Channel: 虚空を観じて
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仕事を奪う

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海外の生活様式や常識は、国によって異なる。

国が違えば、常識、エチケット、マナーは違うから、驚くことが多いが、

サッカーの応援団やサポーターは、選手自身たちは、

想像だが、「常識の違い」に、かなり敏感だと思うし、たぶん、よく知っているだろうと思う。



サッカーの試合で、日本人サポーターが清掃というか、ゴミ拾いをしていることや、

選手たちが使用したロッカーの清掃をし、感謝のメモを残していることが、

海外から称賛されていることがYouTubeで結構取り上げられている。

これまで、これを問題視する話は聞いたことがなかったが、問題だとする日本人識者というか、インテリというか、

その言い分を初めて聞いた。

一言で言えば、清掃を生業としている人々がいるから、彼らから仕事を奪うことになるので、

サッカー観戦後のサポーターによるごみ拾いや、選手によるロッカールームの清掃は、やめたほうがいいというものだった。



ペルーで生活しているとき、新車を買って、自宅で車を洗車していた。

このとき、ペルーの友人から、洗車をして生活または小遣いを稼ぐ人がいるから、車の持ち主が洗車をすることは、

やめたほうがいいという忠告を受けた。

この時は、「ああ、なるほど、たしかにそうだな」と思った。



サッカー選手のロッカールームを、選手自身がきれいに清掃することは、清掃を生業としている人の仕事を奪うことになるのか、

疑問に思う。

ロッカールームを清掃する専門家というか、雇われている人は、

「ああ、すでに清掃されているからやめておこう」

「ああ、今日はもらえるお金がもらえない」

なんて、おそらく考えはしないだろうし、ホテルの部屋の清掃する人と同じで、たとえきれいであっても、いつもと同じ清掃をするだろう。

すくなくとも、

「私の仕事を奪って、今日はお金をもらえない」

なんて、思わないだろうし、せいぜい、楽になって、ラッキーってことだろうと想像する。


日本人のこうした行為を批判する識者の言っていることは、

一般論としては正しいだろうと思うが、

世界どこでも共通しているのは、

使ったホテルの部屋を軽く片付けること、

自分が乗った新幹線の席に自分の食べ残しを残さない、

自分が乗った飛行機の席にゴミを放置しない、

などは、日本人の美点というか、文化として普通に評価されているのは、

サッカーの試合でも同じだろう。



目くじら立てて、批判、説教することでもないだろう。



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