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Channel: 虚空を観じて
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利用されても・・

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昔の話。

ペルーの友人の一人に、エルネストがいた。

既に亡くなってしまったが、若いころ、リマから北へ100キロほど行った海岸に釣りに行った。


朝早く出発し、パンアメリカン道路から外れて、海側に入り、渚にジープを走らせる。

なかなか気に入った場所がなかった。

カニが逃げまどっている。

と、見ると、波打ち際に、人間らしき物体があった。

凝視すると、間違いなく男の死体だった。

そのわきにジープを止め、釣りを始めた。

日本人の僕には信じられない行為だが、エルネストは、

「これを警察に通報すると、こっちが犯人されてしまうから、関わり合いをしてはいけない」

そういわれた。

これには、落ちがあって、死体はエルネストのよく知る知人だった。



ペルーは、そういう国であったことを、再確認した。

ペルーに生活する知恵として、まず、注意されるのは、

1.道で、だれか、倒れていても絶対に助けない。一度かかわると最後まで世話をさせられるから。

2.自分が交通事故に遭遇したら、殺されるから、なにがなんでも逃げること。これは、ちょっと意味が分からないが、

生きていると死ぬまでお金を搾り取られるから、というのがその理由だ。

3.冷蔵庫など大きな買い物は、半分だけ、頭金だけを支払うこと。全部支払いをすると、いつまでたっても持ってきてくれない。

こんなことを、たいていは注意される。



ところかわればしなかわる、ってホントだなって思う。

我々の先祖が先人が積み上げてきた文化、習慣、伝統あるいは、生きるための知恵や教訓は、

世界と比較しても、きわめて簡単に

「利用されやすい」

ものばかり。

それは、現代でも変わらず、美徳として生きている。

いくら利用されても失いたくない。


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