だいなし

昔、宣教師など日本に来た外国人たちが本国に書簡を送っている。

それによると、日本人の精神世界は特別に優れている、

そんなことが報告されていることを、動画にしたYouTubeを視聴した。

子供のころ、知っていたらな、と残念に思った。

おそらく、意図的に学校では教えなかったのだろうと、思う。



子供のころ、日本は遅れていて、欧米に追い付け、追い越せの時代だった。

ところが、今思えば、精神世界というか、心の世界、他人を思いやる、そういった民度というのか、

人間が生きる上で、実は一番大切な魂、心、精神の世界では、

日本はかなり先進的であった歴史的な事実にまったく気が付いていなかった。



学生時代、源氏物語には特別な考えはなかったが、

当時の日本は、実は、女性が長編小説を書いて、それを読む人がいた事実。読み書きができる人々がたくさんいたことになる。

女性を差別するとか、奴隷がいたとか、そんな野蛮な日本ではなかったことが、うかがい知れる。

食うのに大変なら、あるいは争いごとばかりなら、階級社会なら、物を書いている暇などないだろう。



昔、アメリカでヒッピーという一種の社会に対する抵抗運動があった。日本でも表面だけを真似た若者たちがいた。

聖書の影響を受けていない日本のヒッピーは単なる流行だが、

アメリカのは社会に対する、あるいはキリスト教社会に対する反感だったのだろう。



昔から日本は、他人は善人、悪いことはしないという前提でものごとを進めてきた、

穏やかな社会だった。

現代でも間違いなく穏やかな社会だ。

これが崩壊するのは忍びない。