顔に飾りをつける

子どもの頃、アフリカやアマゾンの未開人を見て、顔にいろいろなものをつけて、痛くないのかなって思ったけど、

大人になって、自分に痛い思いをして顔、耳、鼻などに飾りをつける行為は、

刺激が欲しいからだろうな、と思うようになった。

そうしないと、生きてはいけない何かがあるんだろうと。

一種の本能に近いものだろうか。



資本主義でも、共産党独裁でも、個人で資産を兆単位とか、何千億単位を所有する人がいる。

そこまで所有できるシステムって、どこかおかしいと思うが、

おかしいと、主張する声が聞こえないから、受け入れているんだろうなと思う。

昔は、共産主義にはそんな格差のない社会だと単純に思っていたが、現実的には、

結局は、富、安心、安全は持てる者に集中する現実は、資本主義とまるで変わらない。

つまり、自由主義であっても、独裁であっても、共産主義であっても、持てる者に、すべてが集中することは同じだ。


どれだけ持っても、持たざる者のことを思ってくれれば、いいが、

なかなかそんな集合体は存在しないのが、現実で、

それが人間社会なのだろう。



ホームレスだと、想像しているが、知り合いが一人いる。想像というのは、本人に訊いたわけもないからだが、

毎週水曜日にゴミ置き場に、本を集めに来る。

ゴミ置き場でビン、缶の分別や段ボールの処理をしていると、くる。

ときどき、洋服、腕時計、缶詰、お酒なども探し出して、持っていく。

先週、程度のいい自転車が３０台ほど放置されていた。

新しい自転車を持っていくよう勧めたが、警察がうるさいからと断られた。

ちょっと意外だったが、警察はしつこく、うるさいから、身辺だけはきれいにしているという。

棄ててある自転車をもらっただけだと、説明して、「はい、そうですか」って納得して解放してくれる警察などは、いないからだという。



誰が言ったか知らないけれど、起きて半畳寝て一畳ってことわざは、

あまり欲張るなとか、あまりの贅沢は慎めとか、そんなふうに説明されるが、

どうもそれだけでは説明としては不十分のような気がする。