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Channel: 虚空を観じて
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得難いありかた

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昔、食物アレルギーなどは、自分の周囲には誰もいなかった。

現代は、自分の孫もアレルギーがある。

これって、なぜそうなったのか、原因があるだろうが、特に明確にはなっていないだろう。

友人に、電磁波や、化学物質アレルギーの女子がいる。結婚してから発症したようだが、NHKでも取り上げていた。

医学が進んでも、また新しくなにかしら手におえない病気が出てくる。



何の本だったか、日本人の中にはお酒の飲めない人がたくさんいるが、

外国には、そんな人はいないという。それは、アルコールに弱い人間はみんな淘汰されてしまったからだ、とそんな文章をよんだことがある。

それは、日本人は、貧富に関係なく、だれもが飲める水をいくらでも飲めたからだという。

また、あるとき、大陸からアルコールに弱い種が列島に来て、その遺伝子が広まったからだとも、いう。

なんだか、わけが分からないが、アルコールに弱くても、生きていける環境が列島にあった、ということだろうか。



ペルーにいたとき、水道の水は、確かに、石灰なのか、ポットにべったりとすぐとりついていた。それをはがすのに、リモンを大量に絞って、ポットの中にいれていた。

それが嫌で、水を購入していたが、それでも、さほどの差はなかった。

それを思うと、日本の水は、軟水でだれもが腹いっぱい水が飲めた、という事実は得難い環境だったのだなと思う。



紙おむつは、画期的な商品で、これほど貢献した発明品は滅多にないだろうと思う。

ところが、何年も前、紙おむつが、実はさまざまアレルギーを引き起こす原因かもしれないと、

指摘したお医者さんの記事を読んだことがある。

科学的に証明されているのか、因果関係はまるで、不明だが、

事実であったとしても、こんなにも便利な紙おむつを手放すことは、もうできない。



思想や哲学も似たところがあって、文化や伝統はなかなか崩壊しないが、

一度崩壊すれば、二度と元に戻らないのが、一種の恐怖になってしまう。

物事を「大切にする」精神や、集団の「和」を守る気持ちなど、列島に住む人間が護持してきた文化は、

実は、思っている以上に得難い「素晴らしい」人間の在り方だと思う。

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