義父が、生きる上では、敵が1000人、味方が1000人だと言っていた。
なかなか含蓄のある言葉で、全員に好かれるのは無理、嫌われることもない。
嫌われてもいいから、意見を言うときにはしっかり主張すること、
など、どちらかというと、小うるさい爺さんだった。
義父は、地域社会に尽くすのが好きで、亡くなるまであちこち出かけて行った。
何の勲章か知らないけれど、勲章まで受章している。
晩年、
「俺が死んでも、香典で葬式費用はまかなえるから」
と、よく言っていた。
まさにその通りで、弔問客はひっきりなしで、香典は葬式代どころか、その後の法事の費用までできた。
情けは他人のためならず、めぐり巡って・・・、という日本社会だなって、思う。
こういった人の世の文化、長い年月を経て積み重ねてきた良き習慣は、失いたくないし、
大切に育てていきたいと思う。
こういったシステムは、出稼ぎ外国人には魅力的で、
ブラジルからの出稼ぎ人が、生活保護を受けて、
「なんで、みんな働くんだ。働かなくとも、お金をくれるよ」
と、他のブラジル人やペルー人に言っていたという。
警備のバイトをしていた時、ある女性と知り合った。
彼女の兄がヤクザで、無職。いい年だ。当然収入がない。生活保護を受けることを勧めたが、
兄は、身内に迷惑をかけることを選び、
「みっともなくて、そんなことはできない」
と拒絶しているという。
迷惑をかけるなら、両方ともに、みっともない。