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Channel: 虚空を観じて
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いいカモネギ

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自虐史観教育を受けたかどうかは実感はないが、性善説教育はなんとなくわかる。



ペルーで生活している時代は、普通に食べられるコメがなくて大変だった思い出がある。

日本の戦後のような、そんな感じだった。

こんな国があるんだという、一種の驚きが強かった。

当然、貧富の差が激しくて、裕福層は文明を謳歌しているが、貧民層の人々は、シャワーすら浴びることができない。

バスに乗ったり、市場に行けば、人間が身体を洗わないニオイがどれほどのもか、よくわかる。

それでも、文明側にいると、「気持ちを変えれば」住めば都のような感覚になった。

ただペルー全体の民度の低さには辟易したが、

慣れてくれば、そんな人ばかりではなく、誠実なペルー人や楽しいペルー人がたくさんいて、

そういった人々との付き合いが広がって、いまでも、月に何度かズームで交流している。



ペルーは、日本からの進出企業があって、

駐在員でつくっていた毎月第三水曜日には親睦会を行っていた「三水会」があった。

三水会は、各企業から寄付を募って立派な日本人学校も建設しているし、

企業だけではなく、政府関係者もかなりいた。

親睦会は日本料理店でやることが多く、けっこうな参加者があった。

三水会を通して、帰国する人、新たに駐在する人、あるいは大使館からの情報提供や外部から専門家を招いての講演があったり、

それなりの活動をしていた。

いまでも印象に残っているのは、帰朝する大使の挨拶だった。内容は・・・、わかりやすく具体的に通訳すると、

ペルーの要人から様々な接触あった。多くは、「おねだり」接触で、日本から協力金というか出資金というか、貧しいペルーのインフラ整備や、文化支援の「立派な案」を提案して、

まあ、ここまでは許容範囲だが、

水増し予算で、余ったお金を、

「二人で分配」

しようという、こんな話ばかりだった、

と、そう話していたのは、ショックだった。そのとき、

「ああ、この国は、上から下まで、高等教育を受けようが受けまいが、個人の利益だけを考えている」

そんな人々の集合体なんだなと、おもった。



いまとなれば、実は、日本のような国、日本人のような民度の高さをもつ国は、

世界的には少数派なんだと理解できるが、当時は、性善説教育を受けてきた日本人には、大きなカルチャーショックだった。



性善説教育と自虐史観、これを受ければ、日本人は、外国からは、たしかにいいカモになるだろうと思う。


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