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Channel: 虚空を観じて
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お金と女

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個人情報に触れることは、書けないが、この程度のことなら、時効にもなっているだろう。


マンションの管理人をやっている。

時々、理解に苦しむ出来事が発生する。

あるとき、女性二人が訪ねてきた。一人は日本人だが、もう一人は外国人で、たぶん隣国人。

「こういう男子が、このマンションいるけれど、どこの部屋ですか?」

「この男子は、女性と一緒ですか?」

「白い高級車を見るか?」

いろいろ質問してくる。

どれにも、回答できない。その旨を、伝える。すると、

隣国人は、いきなり、

「お金が欲しいならいくらでもあげる」

と言って、万札を何枚か出した。

日本男児は、その程度のことでは、転ばない。



探偵屋さんも来る。

さすがは探偵で、余分なことは一切言わない。

「すいません、ちょっと、人と会いたいので、ここで待たせてください」

そういって、名刺と、お菓子をだした。

こういった事には、簡単に転ぶ。

かわいい若い女子と二人だった。



警察だって来る。監視カメラを見たいという。

警察にも、ビデオは見せられないから、警察は、たいてい、許可証というか、仰々しい書類を渡してくる。

何時間でも見て、コピーを取っていく。

時々、たまに、いきなり、私服の警察官、なんというか、板につかないチャラい格好で、二人でくる。

その時は、いつもの書類は持っていなかったが、

自分の判断で、ビデオを見せてあげた。

実は、この後、驚いたことがあった。

「ねえ、さっきの二人は、警察でしょ」

って、確認しに受付まで来た住人がいたことだった。



お金と女に転ばない人間はいない、という諺がチャイナにはあるという。

元総理大臣から有名な政治家まで、日本人だって転びまくっている。みんな、売国奴、非国民だろう。

賄賂はどこの国でもあるし、上から末端まで、お金をせびる。

あるとき、ペルー全権大使が帰朝するとき、日本人駐在員に挨拶をした。

「この国の高官は、立派な計画をするが、かならず、何割か上乗せをし、二人で分けようと、賄賂を要求してくる」

そういった内容を話してくれた。

驚いた人は誰もいなかった。

全員が、すでに経験済みだった。

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