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Channel: 虚空を観じて
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父娘

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35年前、リマの空港に着いたとき、飛行機から降りると、異様なにおいがした。

日本には似たにおいがないから、説明できない。

異様だから、心地いいものではない。

現在は、その異様なにおいは感じない。

 

ホルヘチャベス空港(リマ)からホテルに向かう途中、とにかく高いビルが見当たらなかった。

せいぜい5階程度で、街中は暗かった。

とんでもないところにきてしまったと思った。

臭いはより強くなっていた。

 

2、3日すると、知り合いが、日系新聞社に挨拶に連れて行ってくれた。

近くに昔の東京銀行もあった。

支店長がテロにあったことは、もう忘れ去られてしまっているだろう。

テロリストは、慌てない。走らない。歩くと聞いた。

この近くは、においがきつい。

大道商人が、道路わきにひしめき合っている。現在はもう退去している。

近くにトイレはない。大勢の商人たちは垂れ流しだろう。

油でなにかを揚げている。食べ物だ。これが臭い。とにかく臭い。

ペルーの独特のにおいだと、言えた。

 

油は、魚からとった油で、これで揚げる。

レストランでも同じ油を使う。

このにおいは、しばらく続いたが、いつしか、植物性のあぶらに代わって、臭いは消えた。

日本食レストランもあったが、てんぷらの類は、しばらく口にできなかった。

 

今のペルーは違う。

道路は清掃され、ゴミは落ちていない。

臭いにおいはない。

レストランは立ち並び、どこも盛況だ。

 

こうなった、礎を築いたのは、あのフジモリさんだろうと、ひそかに想像している。

4月に大統領選挙がある。

さて、フジモリさんの娘さん、ケイコ フジモリさんは、現在はけっこういい支持率だというが、どうだろうか。

一回で当選するには50%以上をとらなければならないが、これは難しい。2番になることは可能性がある。

2番になれば、決戦選挙に臨める。

父娘で大統領になるかもしれない。

 

 

 

 


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